過去10年攻略データ

牝馬クラシックレース第二弾で、競馬番組表での名称は『優駿牝馬』。桜花賞から一気に800mの距離延長となり、スピードに加えスタミナも要求される3歳牝馬には過酷な舞台設定となる。多くは牝馬同士の戦い、クラシックレースにこだわってこちらを選択してくるのだが、今年は桜花賞馬グランアレグリアがNHKマイルCを選択。桜の女王不在で混戦に拍車がかかっている。G1で唯一同着優勝もあった3歳牝馬頂上決戦をデータで紐解きたい。
2010年はアパパネとサンテミリオンが同着で優勝。過去10年の勝ち馬は11頭、2着馬は9頭となる。

フローラS組も侮れず!?

[前走レース]馬券絡みがあるローテーションはわずか4レース。牡馬クラシックの皐月賞経由は出走が1頭(14年3着バウンスシャッセ)で、前哨戦はほぼ3つのローテーションに限られる。中でも牝馬クラシック初戦の桜花賞からの直行組は8勝、2着と3着が5回ずつという好成績。完成度が求められるレースで、大舞台での経験が生きているといえよう。
それ以外では、桜花賞当日に行われる忘れな草賞組が2勝。フローラS組は勝ち馬こそ1頭しか出ていないが、2~3着はそれぞれ4頭出ていて、近年はこの組の圏内突入が増えている。
条件クラスから本番で馬券絡みを果たした馬は過去10年で1頭もいない。また、トライアルレースであるスイートピーSからの参戦も22頭が挑戦して1頭も馬券絡みがない。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
桜花賞8-5-5-5910.4%16.9%23.4%
忘れな草賞2-0-0-820.0%20.0%20.0%
フローラS1-4-4-352.3%11.4%20.5%
皐月賞0-0-1-00.0%0.0%100.0%
スイートピーS0-0-0-220.0%0.0%0.0%

前走着順別成績
前走着順 着別度数
前走1着7-3-1-44
前走2着1-3-5-17
前走3着2-2-1-13
前走4着0-0-0-9
前走5着0-0-1-10
前走6~9着0-1-0-26
前走10着~1-0-2-28

過去10年注目データ

[前走着順]過去10年、11頭の勝ち馬のうち7頭が本番でも連勝。勝ち馬は1頭しか出ていないが、前走2着馬は連対率で前走1着馬とほぼ互角、複勝率では上回るアベレージを残している。前走3着馬は連対率で1~2着馬を上回っており、前走3着以内の馬はまずチェックしておかなければならない。
前走6着以下から連対した馬は4頭いるが、全て重賞勝ち馬で、大きな着順から巻き返してくるには相当な底力が必要となる。

[枠順]枠番別では3枠と6枠が連対ゼロ。どちらも隣の枠が多く好走していて、好対照なのは面白い。2枠が3勝、5枠、7枠、8枠が2勝と勝ち馬の分布にはやや偏りがある。
馬番別では「3」の(2.1.1.5)が目立つ数字。馬券絡みがないのは「6」「8」「11」「15」の4つ。真ん中よりやや内、やや外が不振となっている。

[脚質]4角先頭で馬券圏内に踏ん張ったのは11年にハナを切って2着に粘ったピュアブリーゼのみ。差し馬が圧倒的に有利なレースで、ほとんどの馬が初めての距離で、道中ロスなく少しでも脚を溜めたいという思惑が働くのか、4角7番手以下からの差しが8勝。直線が長いコース形態でもあり、長くいい脚を使える馬が好成績を残している。

1~2番人気は強い!

1番人気の成績は(5.2.1.2)と信頼度は上々。近年は5年連続で連対を果たしている。2番人気は1勝だが、2着、3着が3回ずつとこちらも連対率、複勝率はマズマズで、過去10年では1~2番人気が揃って圏外に消えたケースはない。また、2ケタ人気は過去10年で1度も馬券絡みがない。
人気面での注目はフローラSで権利を獲った馬で、別路線ということから実力より美味しい人気となっていることが多い。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気5-2-1-250.0%70.0%80.0%
2番人気1-3-3-310.0%40.0%70.0%
3番人気2-0-1-720.0%20.0%30.0%
4番人気0-1-1-80.0%10.0%20.0%
5番人気1-1-1-710.0%20.0%30.0%
6~9番人気2-2-3-335.0%10.0%17.5%
10番人気~0-0-0-870.0%0.0%0.0%

プラスαデータ

近年は関東馬が奮闘!

過去10年、関西馬が出走95頭で6勝、関東馬82頭で5勝。2着が1回、3着は2回関西馬の方が多いが、アベレージで見ると勝率、連対率、複勝率いずれも東西ほぼ互角。近年は関東馬の頑張りが光る。
ジョッキーの方は栗東所属が8勝と完全に『西高東低』。2着の回数は美浦所属のジョッキーが5回とリードするが、アベレージでは大きく水を空けられている。

[キャリア]勝ち馬11頭のうち、10頭がキャリア4~6戦の馬で、4戦と5戦の馬がそれぞれ4勝を挙げている。勝ち馬の最多キャリアは11年エリンコートの8戦。過去10年ではキャリア9戦以上の馬は全て馬券対象から外れている。連対馬は早めに賞金を確保して王道ローテを歩んできた馬が多い。

[乗り替わり]過去10年、乗り替わりのコンビで勝ったのは12年の3冠牝馬ジェンティルドンナのみで、2着もわずか2回しかない。3歳春のクラシックレースは総じて乗り替わりはマイナスとなっているが、ほとんどの馬が初めてで、牝馬には過酷な2400mで争われるレースとあって、ジョッキーとのコミュニケーションがより必要というのがデータからも示されている。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、東京芝2400mで最も多くの勝鞍を挙げているのは戸崎騎手の18勝。2位がC.ルメール騎手の16勝で、5/5日終了時点だが、騎乗機会12戦連続で複勝圏内を継続中。以下、蛯名騎手10勝、内田博、北村宏、吉田豊騎手8勝、M.デムーロ騎手7勝、田辺、岩田騎手6勝と続く。関西のジョッキーでは川田騎手が5勝、池添騎手が4勝をマークしている。

[馬体重]勝ち馬の最高体重は13年メイショウマンボの478キロ。最少体重は16年シンハライトの422キロ。以前は480キロを超える馬のアベレージが高くなかったが、近年は徐々に好走馬が大きくなってきており、馬格はあまり気にしなくていいだろう。

[種牡馬]ディープインパクト産駒の成績が良く、過去10年で1~3着がそれぞれ3頭と馬券圏内を賑わせているのだが、昨年は6頭が出走して最高が4着。一昨年は2頭とはいえ掲示板を外しており、少し勢いを落としている。
その他で複数の馬券絡みを果たしているのはキングカメハメハ、ゼンノロブロイ、ハーツクライ、マンハッタンカフェ。東京芝2400mと舞台らしく、長い距離で活躍馬を送り出している種牡馬が好成績を残している。

データの決断

桜花賞馬グランアレグリアの名前がないのは寂しいが、桜花賞をはじめ、ステップレースの上位が数多く顔を揃えて興味深いメンバーとなった今年のオークス。データ面から狙ってみたいのは桜花賞3着からの参戦となるクロノジェネシス。関西馬ながら重賞勝ちを含むコース実績十分で、脚質もこのレースとマッチ。キャリア等もクリアして死角らしい死角は見当たらない。順当に結果を残している桜花賞上位馬でもあり、ここは素直にその実績を信頼したい。