
騎手時代に約20万人が来場した90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切った中野栄治元調教師が、
独自の視点で重賞の好調教馬を導き出します!
【北九州記念】今だから言える!?とんでもエピソードを紹介するレジェンドの本命は…
2025/7/5(土)
当週 栗東坂路(良) | ||||||
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54.6 | 38.9 | 24.5 | 11.6 | 馬なり |
しかし暑いねぇ…。週明けには関東も梅雨明けらしいけれど、今年も梅雨ってあったのかな…?(笑)
ゲリラ雷雨もあって日本はもう亜熱帯とも言われているよね。今後はますます暑くなるだろうから、皆様も熱中症には気を付けてほしいな。
ちなみにこの原稿が上がるころには、僕は北海道にいると思う。久々に函館競馬場に行ってくるんだ。向こうには知人が沢山いるからね。土産話もあると思うので、来週はこちらも楽しみにしていてほしい。
さて、今週は小倉で北九州記念が行われる。小倉といえば思い出すことがあるんだ。
もう40年以上も前の話さ。昔は北海道と同様に、小倉でもしばらく滞在するのが当たり前だった。
今の時代は金曜日に行って日曜日に帰ってくるジョッキーが多いけれど、自分が若かったころは、水曜か木曜日に"親睦会"というのがあってね。
ジョッキーに加えて寮のおばちゃん達もいた楽しい宴だったんだけれど、当時のルールで、新人ジョッキーは女装してくることが決まっていたんだ(笑)
これがまた若くて綺麗なんだよ。そりゃあ肌艶のいい若い子が女装するからそうなる。若い子たちは女装したまま今度は町に繰り出すんだけれど、周りの人の視線を集めるくらい目立っていたなぁ。
その後は大体クラブに行くんだ。するともうどっちが店員さんか分からなくなるくらいでね。名誉を守るためにも誰とは言えないが、チャイナ服を着ていた●●君、可愛かったなぁ(笑)。懐かしい思い出だ。
それでは本題に戻ろう。今週のナンバーワンはヤマニンアルリフラだ。
ずっと坂路で追い切っていて、終い一杯に追った1週前も良かったんだけれど、今週は余力を残して上がり1F11秒台。軽快な動きで一番目立っていたし、重賞初挑戦でも勢いで相殺できる雰囲気を感じたね。
エイシンワンドも良かったよ。全身を使ったダイナミックなフットワークで坂路を駆け上がってきた。成長力云々を言われているけれど、休養前とは中身が違うようだし、夏場がいい馬なのかもしれないよ。
あとはモズメイメイ。元々追い切りでは動くタイプでも、3週前には坂路で49秒台をマークしていた。この中間は素晴らしい動きを見せていて、抑えるのに苦労するほど行きっぷりが良かった。最近の成績は度外視していいと思う。
最後にメイショウソラフネ。立て直したことで、かなり良い時の雰囲気に戻ってきたね。坂路では上がり重点。回転の速い足取りでキビキビと動いていた。久々を感じさせない動きで、イキナリから面白そうだね。

サンライズアリオン
同じ日に福島でもダートの1700m戦があって、逃げ馬は福島に回っているね。そうなると函館の大沼Sのほうではサンライズアリオンがハナを切れるんじゃないかな。再度外枠を引いたのも歓迎だと思う。
プロフィール
【中野 栄治】Eiji Nakano
1953年大分県生まれ、東京都出身。父は大井の元調教師という家庭で育ち、1971年に騎手デビュー。数多くの活躍馬に騎乗し、約20万人が詰めかけた1990年日本ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り伝説を作る。1995年には調教師に転身。短距離G1を2勝したトロットスターなどを育て、日本競馬にその名を残した名ホースマン。