阪神タイガースの怪物・藤浪晋太郎投手の恒例行事と言えば、この時期に母校・大阪桐蔭高校で行う自主トレだろう。自主トレで汗を流した後、恩師の西谷浩一・大阪桐蔭高校野球部監督に、大好物のベビースターラーメンをプレゼントするのがこの時期の風物詩となっている。今年は800袋を手渡したとのこと。今年の夏はより重厚感の増した西谷監督の姿を見ることができそうだ。

「先発5、6番手を争っているようではダメ」と自分自身で語るように、本来であればチームのエースとして君臨しているはずの投手である。藤浪投手の活躍次第で2019年の阪神の成績が変わると言っても過言ではない。オリックスから移籍した西投手に加え、藤浪投手が復活すれば、優勝は現実的なものとなっていく。今オフは親交の深い武豊騎手がプロデュースする京都のジムでトレーニングを積んでおり、その効果にも期待したいところだ。


土曜の東西金杯は◎エアアンセム、◎グァンチャーレが共に詰まる悲劇。その可能性は考慮していたとはいえ、さすがに前に1頭しか馬がいなかったグァンチャーレが詰まった瞬間、頭を抱えてしまった。メールマガジンで配信した中山12R・4歳上1000万で推奨したアルトリウスが頑張ってくれただけに、それだけが救いであった。


さて、日曜は京都11R・シンザン記念が行われる。予想する前に、土曜の競馬で驚いたことがある。京都金杯をパクスアメリカーナが制したのだ。強いのだから別に驚く話ではないだろう……という声もあるかもしれない。ただこれまでパクスアメリカーナという馬はマイルの持ち時計が1.33.2。上がり3Fも新馬戦の33.7が最速で、しかも4着に負けている。本来時計が少し掛かり、上がりも少し掛かる展開を好む馬だ。速い時計になる京都金杯であっさり勝てるものか…?と思ったものだ。

よくよく京都金杯の勝ち時計を見ると、1.34.9。これは2000年以降の京都金杯で最も遅い勝ち時計である。前半3F35.3で緩いペースだったことも影響しているが、それにしてもレース上がり35.2は掛かり過ぎている。中盤も緩くてこの時計。エアレーション作業をしておらず、散水も一週前だった割に、土曜は時計が掛かっていた。今年の京都芝は時計が掛かる設定なのかもしれない。

このような馬場でシンザン記念をやれば、いかにスローペース濃厚なメンバーとはいえ、上がりが掛かり、例年に比べて持続力が問われる可能性は高い。近10年のシンザン記念でレース上がり3Fが35.5以上だった年は、09年、12年、13年、16年、17年の計5年。

来ている血統を見ると、例えば09年1着アントニオバローズ、17年2着タイセイスターリーの父はマンハッタンカフェ、16年1着ロジクライは父ハーツクライ、17年3着ペルシアンナイトは父ハービンジャーと、2500m以上に実績のある種牡馬の名前が並ぶ。


ハッピーアワーは先日有馬記念馬を送り出したハービンジャーを父に持ち、母父は天皇賞(春)などを制したディープインパクト。祖母フェアレストケープはストームキャット×オジジアンとアメリカダート血統の組み合わせで、血統表だけ見れば持続力に富む構成となっている。ハービンジャーはダンジグ系だが、近年シンザン記念とダンジグの血はミッキーアイルを始め、相性がいい。

前走のデイリー杯2歳Sは3着。2着馬メイショウショウブから2馬身半離されているが、パトロールビデオを見ると分かるように、内にいた馬が内ラチ沿いを開けて回ったことで、ハッピーアワーはより外を回らされる展開になった。少頭数だったとはいえ、上位2頭に比べて明らかに距離のロスは大きい。それでも速い上がりを使って差し込んできたように、荒れた芝でも末脚を駆使できる点は強調材料。上がりの掛かった2走前のすずらん賞を完勝している点も魅力的だ。

素質溢れるアントリューズなどの他に気になる馬はゴータイミング。前走はレベルが高いことでお馴染み東京スポーツ杯2歳S。新馬勝ち直後にこのレースに臨むだけでも厳しいのだが、外枠から前に壁を作れず掛かってしまい、早めにガス欠気味になってしまった。掲示板を全て4角7番手以下の馬が占める差し馬有利の流れで、4角3番手はいかにも厳しい。距離短縮で折り合えるようなら見直したい存在ではある。


中山11R・ポルックスSが行われる中山ダートは、土曜日合計7鞍行われた。その内新馬戦、牝馬限定以外のダートは5鞍。勝ち馬の馬体重はそれぞれ500キロ、502キロ、506キロ、478キロ、524キロと、ほとんどが500キロ以上であった。中山ダートは路盤改修の影響を大きく受けて以前よりだいぶ軽くなっているのだが、それでもこれだけ大型馬が来るあたり、冬場のダート感が強い。

出走メンバーで前走500キロ以上だった馬は13頭中6頭。中でも◎クルーガーの前走・武蔵野Sは厳しい条件だった。中盤に11秒台が並び、上がりの脚も問われる展開。芝でも切れ味より持続力を活かす展開が合っていたクルーガーにとって、辛い条件と言っていい。今回は過去2、1着だった一周のダートコース。ブドー騎手やビュイック騎手といった、欧州でも追えると評判のジョッキーたちと相性がいいことを考えれば、初コンビのマーフィー騎手とも相性は悪くないだろう。

ちなみに一周ダートで1着だった時に下した相手は、後に東京大賞典を制したアポロケンタッキー。中山延長で前進を狙いたい。


京都10R・万葉Sは京都芝3000mで行われる。3000mと聞くと長距離でスタミナが必要と思われがちだが、同舞台の菊花賞は全馬初めての距離で折り合えない馬も多く、序盤が流れることも多い中、すでに3000m以上で走り慣れていて、しかもそこまで強力な馬が出走しない万葉Sはスローペースになり、中距離馬が足りやすい。厳しいレースとなる菊花賞では好走例の少ないキングマンボの血を持つ馬が、万葉Sでは近5年中3年で3着以内に食い込んでいるのがいい例だろう。

今年の出走馬でキングマンボの血を持つ馬はユーキャンスマイルと◎グローブシアターの2頭。グローブシアター自体は兄に菊花賞馬エピファネイアを持つとはいえ、お世辞にも長距離適性があるとは言い難い。ただし長距離適性を問われにくい万葉Sなら話は別。直線が平坦コースなら大崩れしない馬で、ここ最近はレースのバリエーションも増えている。コンビを組んで3戦3勝と相性抜群の浜中騎手が騎乗するのも心強い。

そんな京都芝は確かに時計も上がりも掛かるのだが、やはり内の状態はいい。京都5R・3歳未勝利の◎メイケイハリアーは父ゴールドアリュール、母父メジロマックイーンと切れ味より持続力に長けた配合で、今回の馬場状態にフィットした馬と言える。全姉フーラブライドも3枠5番で臨んだ日経新春杯で10番人気2着があるように、内有利の冬の京都で実績を残した馬だった。


平場からはもう1R挙げる。
京都7R・4歳上1000万の予想は
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