ヴェンジェンス、ラスト1Fまで追い出しを待つ余裕の勝利だ!!

ヴェンジェンス

15年9/27(日)4回阪神7日目6R 2歳新馬(ダ1400m)

ヴェンジェンス
(牡2、栗東・大根田厩舎)
父:カジノドライヴ
母:スペシャルクイン
母父:スペシャルウィーク

2歳新馬の結果・払戻金はコチラ⇒

ロケットスタートを決めたトラストマヴィア。ゲートが開いた瞬間に1馬身は前にいたのではなかろうか。すっと先手を取って行く。好発した馬が勝負を決めるのは当然に良くある事、そんな気持ちで観ていたが、1頭だけ馬なりでついてくる馬がいた。ヴェンジェンスが大外を引っ張りきれない手応えで上がってくる。
3ハロンを過ぎて、1馬身差でピタリと後に迫ったヴェンジェンス。そのままの間隔で直線に入ってきた。何とか逃げ粘ろうとするトラストマヴィアをラスト1ハロンまで泳がせておいて、そこから抜き去って行く。ステッキは1,2発は入れたが最後は抑え気味。それでも2着に4馬身で、3着には何と1秒8もの大差をつけていた…。


2着のトラストマヴィアが気の毒でならない。最高の競馬をしたと思う。好発馬から先手を取って前半3ハロンを35.7で行く。ついて来た1頭はタイム・オーバー。4コーナーまで2,3番手までいたメイショウダイオウは8着まで下がっている。1000mの通過が1.00.2は、新馬戦としては速いはず。実際に4日目に勝ったプレスティージオは、今日の勝馬と同じ大根田厩舎で比較が出来る。2着に7馬身と逃げ切ったのだが、その1000通過が1.01.2なのである。それをまるで子供を扱うかの様に追走してきて、ラスト1ハロン手前まで追わないで待っていた幸Jなのである。普通ならば勝てていた2着のトラストマヴィア。それを4馬身、それも追わないでのゴールであった。

火曜朝に大根田師と話が出来た。『稽古からいいスピードがある馬だとは判っていました。幸が前半は何とか我慢していたんだが、3Fあたりではもう辛抱しきれなくなって行ったそうです。いい勝ち方が出来たと思ってます。時計ですか?今の阪神ダートは時計が出にくい様で、上が乾いて下が水分を含んでいる感じで走りにくい様です。前日の準オープンもいつもより時計が遅いですからね』と相当なる手応えがあった馬の様でもある。
ダート戦ながら、勝ち方があまりにいいのでピックアップしてみました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。