武豊、武幸四郎騎手の父・武邦彦元調教師が死去 77歳

12日、騎手時代『ターフの魔術師』の異名で1163勝、調教師として375勝を挙げた武邦彦元調教師が亡くなった。77歳だった。

1957年に騎手デビュー。なかなか大レースに縁がなかったが、デビュー16年目の1972年にアチーブスターで桜花賞を勝つと、その年のダービーをロングエースで勝利。翌年にはタケホープに騎乗してアイドルホース・ハイセイコーを下し菊花賞を制覇。さらに翌年の1974年にはキタノカチドキで皐月賞と菊花賞を制し、瞬く間に3冠ジョッキーとなった。

その後も「天馬」トウショウボーイで有馬記念、宝塚記念を勝つなど一線級で活躍し、1980年には関西所属騎手としては初めて通算1000勝を達成。活躍した同時期に「天才」福永洋一騎手がいたため、1度もリーディングジョッキーにはなれなかったが、通算1163勝は当時史上5位、関西所属騎手としては最多勝の記録を残して1985年に騎手を引退した。

騎手引退後は調教師となり、1987年に厩舎を開業。同時に三男の豊騎手がデビューし、親子鷹として注目され、1989年にバンブーメモリーが安田記念を勝って初重賞制覇をG1で飾ると、翌年のスプリンターズSでは豊騎手とのコンビでG1を勝利した。そして1997年には四男の幸四郎騎手がデビューし、わずか2日目に管理馬のオースミタイクーンでマイラーズCを勝利。初勝利が重賞という快挙を成し遂げた。

騎手時代の通算成績は7679戦1163勝(重賞80勝)、調教師時代の通算成績は4193戦375勝(重賞18勝)。