【1回札幌】レッドボルテクス…小平奈由木の注目新馬レポート

レッドボルテクス
(牡2、栗東・松田国厩舎)
父:キングカメハメハ
母:プレイガール
母父:Caerleon

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にベルシャザール(JCダート)、ホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典)、ハタノヴァンクール(ジャパンダートダービー、川崎記念)、タイセイレジェンド(JBCスプリント)と、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。この世代からも大物の誕生が待たれる。

母はアイルランド産のプレイガール(その父カーリアン)。G2・ヨークS、G3・ラクープなど重賞を3勝したステイジギフトの半姉にあたる。同馬の兄姉にインペリアルディライト(英2勝)、ゴールデンディリシャス(英3勝)ら。曽祖母サンプリンセス(英オークス、英セントレジャー、ヨークシャーオークスとG1を3勝、凱旋門賞2着)に連なるファミリーだ。東京サラブレッドクラブにて総額3400万円で募集された。

パイオニアファームでの基礎固めを経て、5月13日にトレセン近郊の吉澤ステーブルWESTへ到着。6月27日、栗東に入厩した。7月3日のゲート試験をパス。1週間の短期放牧を挟んでペースアップされた。22日には函館競馬場入り。先週のウッドコースでも力のこもった追い切りを消化し、予定どおりに態勢が整った。クラシックディスタンスでの活躍を見込まれている。

8月9日(日)、札幌の芝1800mにスタンバイ。クリストフ・ルメール騎手が手綱を取る。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。