【桜花賞】2歳女王レシステンシア前走の『完敗』は本番につながる？

2020/4/6(月) 

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提供：アナタの知らない騎手の世界

チューリップ賞3着から巻き返したいレシステンシア

【レシステンシア陣営独占インタビュー・前編】

－：桜花賞(G1)に出走するレシステンシア(牝3、栗東・松下厩舎)について、よろしくお願いいたします。まずはチューリップ賞に向かう段階の話から。どういう状態でノーザンファームしがらきから戻ってきたのでしょうか。

松下武士調教師：阪神ジュベナイルフィリーズの後に少しソエを気にする所があって、籠っているような感じだったんです。それでチューリップ賞を使うか、使わないか直前まで迷いました。治療もしていただいて、ソエが痛いのか、触られるのが嫌なのか、判断が難しい感じがありましたが、乗っても痛がる仕草はなく調教はずっと出来ていたので、ソエ自体は大丈夫だろうということで、出走することになりました。

－：阪神ジュベナイルフィリーズ以来、トレセンに帰ってきてからも調教での動きは悪くなかったと思います。先生からご覧になった感想はいかがでしたか。

松：本当にソエを気にする所もなかったですし、動けていたのでチューリップ賞には良い状態で臨めたと思います。

－：やはりG1馬になるとマークされる立場になりましたよね。それでもレシステンシアのスピードと勝ち時計の速さがあれば、押し切れるんじゃないかと思ったファンが多かったと思います。レース自体はいかがでしたか。

松：楽に行って、いい感じで4コーナーも回って来れたので、ピュッと伸びるのかなと思ったら、案外でしたね。追い切りでもラスト1ハロンは動くので、溜めたら溜めただけ動くと思っていました。レースでは追い切りほど最後の切れがなかったかなというのはありますね。

－：桜花賞に向かっては、あまり脚を溜める競馬よりは阪神ジュベナイルフィリーズのように後続馬を離して逃げる方が良いということですか。

松：速いペースで後ろに脚を使わせながらという方が良いのかなと思っていますけど、当然枠もあるし、あとはジョッキーと相談しながらですね。

－：しかし負けたと言っても、阪神ジュベナイルフィリーズの上位組の順番が入れ替わっただけです。能力はその他の馬とはワンランク違うという所は見せられましたね。

松：そんなに大敗した訳ではないので、悲観するレースでもなかったと思いますしね。

－：この馬は気性の激しい所もある馬だと思います。1回使って、次のレースに仕上げるのに苦労されたこともあったんじゃないですか。

松：ただ、トレセンではそこまでではテンションが上がったりはしません。あとは使う度にパフォーマンスを上げていたので桜花賞でもそうなればいいですね。負けはしましたけど、チューリップ賞を使えたということの方が意味があるのかなと思いますね。

▲スピードの違いを見せつけた阪神JF

－：阪神ジュベナイルフィリーズから上積みを見込んでの桜花賞になりそうですね。

松：それこそあの阪神ジュヴェナイルを再現したら勝っちゃいますのでね。時計も桜花賞レコードで走っているので。

－：今の阪神競馬場の芝コースですが、使っている割には前が残る競馬があるじゃないですか。これも結構なキーワードになりそうですね。

松：それで、今週からはBコースですしね。

－：そう考えると、レシステンシアには悪くないですよね。例年だったら、前に行ったり、逃げたりする馬には不利な馬場になることが多いですけどね。

松：そうですよね。

－：今朝(4/1)は中村(将之)騎手が乗って、63ぐらいの普通の所を乗られていました。ユックリでも乗れる所が、この馬の気性的にコントロールが利く状態だという証明ですね。今日の動きは見ていてどうでしたか。

松：普通の所でしたけど、シッカリ上がっていました。その後、ゲート確認をしました。

－：明日の追い切りは、どこのコースでどのような内容になりますか。

松：1週前なので坂路でちょっとシッカリやりたいんですが、今日の後半とかは結構時計がかかっていたんですよね。

－：坂路の一番の終わりの方は、もう掛かっていましたからね。

松：それで、この雨じゃないですか。だから、そんなメチャクチャな時計はいらないと思っています。武豊ジョッキーに乗ってもらって、54～5秒でも良いのでジワッと行って、ちょっと反応だけ見てもらえたらなと思っています。

－：それで、十分に50秒フラットぐらいの負荷が掛かるということですね。

松：そう思います。あの時計が掛かっているのを見て、さらに今日の雨なので。やり過ぎるのを一番警戒しています。まだ来週もあります。もしちょっと足りないと感じたら、来週で調整出来るので。

－：阪神ジュベナイルフィリーズからの成長というのは、馬体面ではありますか。

松：少し背が伸びましたが体重には大きな変化はありません。

－：気性的な変化はいかがですか。

松：気性はそこまで変わっていないかなと思いますけどね。本当に馬房でも寄ってくるので、かわいいですよ。噛みもしないですしね。

－：こうなって欲しいなという現時点での課題があったら、教えて下さい。

松：今の所はほぼパーフェクトですからね。そんなに手が掛かる訳でもないですし、調教も動くし、今の所は注文の付けようがない馬だと思います。

－：ファンに向けて、レシステンシアの厩舎ならではの仕草があれば教えて下さい。

松：人が寄ったら自分から寄ってくるし、本当に愛嬌がありますよ。

－：人懐っこいんですね。新馬戦を勝った時というのは、桜花賞で上位人気する馬を預かったという感触はありましたか。

松：いや…。それこそ新馬前は坂路で動いていたんですよね。坂路で終い1Ｆ11.9が出るぐらい動いていて。正直なところ新馬戦はもっとぶっちぎるだろうなと思っていたんですよ。ちょっと外に膨れるような所もあって、そんなに目立った勝ち方ではありませんでした（笑）。勝ってホッとしましたけど、レースの勝ち方は想像したより地味な感じでしたね。

－：2戦目のファンタジーSはいかがでしたか。

松：ファンタジーSは新馬から中2週で、間隔は詰まっていました。新馬同様、前にスッと付けられて、そこから抜け出して押し切って、良い内容で勝てたので強いなと思いました。2走目で外に膨れるのも直っていましたからね。

－：阪神ジュベナイルフィリーズの時は1ハロン延長したら、スピードがあっても、最後はガス欠するんじゃないかというイメージも湧きましたが、最後までしっかり伸びていました。

松：阪神ジュベナイルフィリーズは、残り1ハロンまで先頭にいるだろうと思っていましたけど…。あんなに離して勝つとは思いませんでした。