『愛してるだよ!!』と今日もM.デムーロ、モーニン快勝!

モーニン

16年2月21日(日)1回東京8日目11R 第33回フェブラリーS(G1)(ダ1600m)

モーニン
(牡4、栗東・石坂厩舎)
父:Henny Hughes
母:Giggly
母父:Distorted Humor

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絶好の4番手の外目でレースを進めたモーニン。直線半ばで前を行っていた先行馬を抜いて先頭に立った。ロワジャルダンが追いかけるが、後ろからの猛追に飲み込まれる。ノンコノユメアスカノロマンが鋭く伸びて2、3着。コパノリッキーは7番手のインで4角を廻って直線で外へ出したが、そこでロワジャルダンにガッチリとロックされて、それ以上は脚を使えなかった。コーリンベリーが迷いのない逃げを打ち1000m、58.4と軽快に飛ばした。そして終いも速い決着となり、レコード勝利となった。4歳馬のワンツーで、ダート路線にも若い力の勢いを感じるものだった。


朝3レースの3歳未勝利戦のマイルで1.35.7をマーク。ヒヤシンスSでは1.35.4。始まる前から、1分34秒台の決着は避けられないと予測された。連覇中のコパノリッキーは二度とも36秒台で、時計の速い決着には大丈夫なのかと思えた。まして内枠で外へ出せるかも問題かと。
今回はコーリンベりーがスタートを決めて、先手を主張していく。ダートに入ってコパノリッキーも内から間合いを詰めて行けたが、3番目まで。コーリンベリー、モンドクラッセと続き、外がスーサンジョイのところまで上がった。スーサンジョイとタガノトネールが外から順位を上げていく。
2F過ぎてロワジャルダンとモーニンも上がってきて、コパノリッキーは5番手の内となる。3Fを34.1で通過。ロワジャルダンがやや掛り気味で、その後ろのモーニンはピタッと折り合っている。ノンコノユメは後方から4頭目でローマンレジェンド、最後方がマルカフリートで3角を過ぎる。

馬群は4角手前まで来ている。先頭はコーリンベリーだが、外2頭も並び加減だ。その後ろにモーニン。コパノリッキーは内ラチ沿いをいい感じで続く。
直線に入ってきた。どうしてもコパノリッキーに焦点が合う。うまい具合に内ラチから外へと出してきた。前をモーニンが横切った後の僅かなスペースへ出してくる。一瞬、モーニンが内へよれて、モンドクラッセの方に寄る。ロワジャルダンの内へ並べたコパノリッキーの前にスペースが出来た!と、喜ぶのもつかの間、すぐにモーニンが戻ってきたし、ロワジャルダンの伸びが良すぎてコパノリッキーは置かれ気味となる。すぐ横にはベストウォーリアが来ているし、中団ではアスカノロマンの脚が目立つ。
ラスト300mで、今度は先頭にタガノトネールが立とうとしている。しかしモーニンの勢いがいい。左ステッキに持ち替えたM.デムーロの大きいアクションで、モーニンが先頭となってゴールを目指す。次いでロワジャルダンが前を追う。一旦2番手まで上がったかと思えるところで、今度はアスカノロマンか、いや、その外へノンコノユメだ!もう前ではミルコが外をチラっと見て、右に持ち替えたステッキでガッツポーズの用意だ。

検量室のすぐ横にインタビューの席が設けられる場所がある。そこには常時、モニターが3台あって、他場を放映したりパトロールビデオが流されている。何度も見ていると、小島太師が来てじーっと見てから解説をしてくれた。
『勝った馬は完璧に乗られたな。2着馬は4角への入りが悪い。前の馬が邪魔になってしまう、ホラね…』と、我々では判らない部分を教えてくれる。後で見返すと、アスカノロマンが先に動いて終始、前にいる。その外へ出せたのが、あと200を切ってからである。その位置からあそこまで来るのだから、4角の入りがもっとうまく行けていたら、大外をスムーズに通り追撃が楽だったのだろう、かと思えてしまう。ジョッキー経験者としての目線の感覚を語ってくれた訳である。これも大事な事だ。
しかし何にせよ、モーニンは完璧に力を出しきっての重賞初制覇。それもデビューから1年足らずでと、凄い馬でもある。

そして冒頭の『愛してるだよ…』のM.デムーロのウイナーズサークルでのインタビューを見て聞いていた。流暢に日本語をマスターしていくミルコであるが時々、どうしても変てこな日本語になるのだが、そこも愛嬌である。場内の大勢のファンに向けてのこの言葉、日本人では言えない単語である。

彼は重賞レースになると完璧に乗る癖がある。平地戦などでは思わずボーンヘッドではないかと思える騎乗があるのが、重賞ではそれがまったく見られない。ここらが凄過ぎる。2週連続で、4日間で3つの重賞を制覇。今年のG1の一番乗りもした。まだまだ勝ち続けるのであろう。

荷物を持って帰りかけていた時、M.デムーロの家族とすれ違った。小さい娘さん二人だが、そのいちばんチビさんにあの外人がよくTVでやる『ベー』をやられてしまった。《いや~参ったな~》と、思わず苦笑しながらションボリと帰路についたのでありました。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。