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的場文男騎手の通算最多勝記録更新記念祝賀会が都内で開催される
2018/11/21(水)

11月17日、都内のホテルにて8月に7152勝の地方競馬通算最多勝記録を達成した的場文男騎手の、達成記念祝賀会が関係者ら約300人を集めて盛大に開催された。
スーツ姿で登壇した的場騎手はまず最初に「7152勝を達成できたのは皆さまのおかげだと思っております。的場デー(8月28日に大井競馬場で行われた達成記念イベント)の開催には感動しました。涙が出るくらいうれしかったです。お客様にも心から感謝しています。45年騎手生活をやってこれたのは皆様のおかげです。アゴの複雑骨折に加え、背中を蹴られて脾臓が真っ二つになるなどし緊急手術もありました。もうダメだと思いましたが、続けることができました。皆様支えていただきありがとうございます。喜びと感謝の気持ちで一杯です」と、大記録への道は決して平たんではなかったエピソード、そして関係者、ファンへの感謝の言葉を交えて挨拶した。
祝賀会では途中、JRAからお祝いとして、藤田菜七子騎手、武豊騎手がビデオレターを寄せた。藤田騎手からは「凄い記録で見習うことばかりです。的場騎手おめでとうございます!今後もご指導よろしくお願いします」とのメッセージが寄せられた。思い返せば藤田騎手の初勝利である2016年3月24日浦和3R、2着のミカドヴェザリアに騎乗していたのが的場騎手だった。
的場騎手が思い出のレースとして挙げるのが1997年の帝王賞。愛馬コンサートボーイに跨り、怪物アブクマポーロと演じた叩き合いはオールドファンの間では語り草であるが、このレースで3着だったのが武豊騎手騎乗のバトルライン。ビデオレターでは帝王賞の映像を振り返りながら、自身が9月に達成したJRA通算4000勝に触れ、「私も近いタイミングで達成しましたが、もう少し気を使って早く達成してほしかったです(笑)」と冗談を交えて話しつつ、「尊敬しています。おめでとうございます」と祝福の言葉を述べた。
そんな的場騎手は9月19日に行われた東京記念をシュテルングランツで制し、38年連続重賞勝利を挙げている。「自分が凄いわけではないんです。支えてくれる方がいたおかげです」と話すところに登場したのが、地方競馬通算最多勝記録の前保持者である佐々木竹見元騎手。レジェンド同士の滅多に見ることができないツーショットに、会場のボルテージは一段と増していく。
レジェンド・竹見元騎手が「今までずっと努力してきた結果でしょう。まさに大井の帝王です!」と言えば、「竹見さんをずっと目標にしてきました。竹見さんという大先輩がいたから、見習って頑張れました。竹見さんがいたから達成できた記録です。ありがとうございました」と大井の帝王が頭を下げる。地方競馬ファン垂涎の光景が繰り広げられた。

的場文男騎手(左)と佐々木竹見元騎手(右)
同じく大井競馬所属の後輩ジョッキーである達城龍次騎手も「的場騎手は常識に適っていない」と言う。騎手生活の傍ら、慶応大法学部の通信課程に入学し、騎手と学生、2足のわらじを履く達城騎手は理論的な騎乗、馬場を読んだ立ち回りが多くのファンに支持される『頭脳派』として知られているが、その達城騎手をして「まず身体が違いますよね。エネルギーの生産、そもそもミトコンドリアの部分から違うのかもしれません。的場さんにはリミッターがないんです」と言わしめる的場騎手の存在は、もはや後輩たちからも存在が奇跡と言われるほどだ。「僕だったら絶対に62歳まで現役を続けられませんね。辛くて無理だと思います。ジョッキーを続けているとやはり腰が痛くなりますし、僕たちも凄いケアをしていますが、それでも痛いですからね。それでいて62歳まで現役を続けられるのは凄いです」と二人は口を揃えていた。
会の中ほどでは、お笑い芸人の鉄拳氏が登場。記録達成記念に、的場騎手45年の騎手生活を描いたパラパラ漫画が場内のスクリーンで放映される。幼少時代に始まり、ジョッキーに憧れ上京した日、騎乗馬に恵まれなかった若手時代、そしてケガ。苦難の連続だった的場騎手のこれまでの歩みが描かれたこの作品の放映終了後、場内では涙を流す招待客の姿も見られた。
この感動の大作『大井の帝王』は、現在大井競馬のホームページでも公開されている。ぜひ作品を見て、的場騎手のこれまでの歴史に触れていただきたい。


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